このサイトは、「東アジアにおける都市形成プロセスの統合的把握とそのデジタル化をめぐる研究」(2010年度~2012年度:研究代表者・加藤直人)の一環として、日本語日本文学班が作成した複数の成果公開サイトを束ねたポータル・サイトです。
近世文学・近代文学・日本語学の3チームで組織された当班は、日本語・日本文学の観点から日本最大の都市圏である江戸・東京圏の再構築を試みてきました。日本語日本文学班の研究組織ならびに分担は、こちらです。
当サイトからリンクされている成果公開サイトは、チームごとに収集したテキスト・画像・言語事象・言語景観データといった資料について、時代・分野・資料を超えてWebGIS上に配置することによって、新たな視点を獲得することを目指しています。同時に、デジタル化した資料類を、複合的・重層的にインターネット上に公開するための試みとしても位置づけています。
成果公開サイトは以下の4つです。それぞれのサイト、ならびに掲載されている資料類の説明は、各サイトの概要をご覧ください。
なお、本研究成果ならびに成果公開に際しては、プロジェクトを構成する組織である地理情報班・基盤システム班の他、日本大学文理学部図書館・同資料館・日本大学総合学術情報センターの協力を得ました。また、WebGIS上に示した「小森コレクション」については、元著作権者から最大限の寛大なご配慮を頂戴しました。ご協力くださった皆様方に、厚く御礼申し上げます。
グループ代表者
田中 ゆかり 日本大学文理学部教授(全体統括・日本語チーム)
研究分担者(50音順)
荻野 綱男 日本大学文理学部教授(日本語チーム)
小平 麻衣子 日本大学文理学部教授(近代文学チーム)
金子 明雄 日本大学文理学部教授(近代文学チーム)
倉員 正江 日本大学生物資源科学部教授(近世文学チーム)
紅野 謙介 日本大学文理学部教授(近代文学チーム)
佐藤 至子 日本大学文理学部准教授(近世文学チーム)
竹下 義人 日本大学文理学部教授(近世文学チーム)
森井 マスミ 愛知淑徳大学准教授(近代文学チーム)
吉田 司雄 工学院大学教授(近代文学チーム)
研究協力者
樋渡 隆浩 日本大学文理学部PD(2010年度-2011年度:全体補助・近代文学チーム)
林 直樹 日本大学文理学部RA・日本大学大学院文学研究科博士後期課程 (2011年度-2012年度:全体補助・日本語チーム)
本サイト運営者:日本大学文理学部
連絡先:nichigo-nichibun@chs.nihon-u.ac.jp
サイト概要
「江戸・東京WebGIS」は、Google Map上に古地図や文学テキストならびに言語資料を配置し、日本語日本文学の観点から近世・近代・現代を透かし見ることで江戸・東京圏を再構築することを目指したものです。現代の地図に近世期の地図「江戸切絵図」[1849-52(嘉永2-5)年刊行]や近代期地図「東京市全図」[1907(明治40)年刊行]を重ね合わせ、これら古地図の透過表示することによって、近世・近代・現代を透かし見ることができます。このような重層的地図に、近世・近代・日本語に関連する資料を配置しています。
掲載資料
近世期文学関連資料としては、『江戸名所図会』[1834,36(天保5,7)年刊行]、鶴屋南北歌舞伎[1810-19(文化7-文政2)年]・山東京伝黄表紙[1777-93(安永6-寛政5)年刊行]、『泰平纏一覧』[1856(安政3)年刊行]にあらわれる名所・地名に焦点を絞り、関連本文を抽出・翻刻の上、挿絵を伴うものについては画像とともに地図上に配置しています。
近代期資料としては、明治初期の東京を描いた小林清親版画((『東京名所図』[1876-1881(明治9-14)]『武蔵百景之内』1884-1885[明治17-18]刊行)を地図上に配置しています。
日本語関連資料としては、言語景観の素材として明治期末から昭和後期・1980年代のバブル経済期以前の銀座の街並みを写し取った写真データ「小森コレクション」や、田中ゆかり担当科目において実施した実地調査に基づく写真データ・分析報告を配置しています。
詳しくは、「江戸・東京WebGIS」右下の「解説」もご覧ください。
操作方法
まず、左上の資料選択ボックスをクリックし、展開させたい資料を地図上に配置してください。
地図上に展開されたピンをクリックすると、地点に埋め込まれた資料のテキストや画像がポップアップし、自由に閲覧できます。版本については関連部分の翻刻も閲覧することができます。ピンは資料ごとに色分けされており、閲覧したい資料を選択して地図上に示すことができます。埋め込んだすべての資料体を一度に展開させることも可能です。
透過させる地図についても、自由に選択し、展開させることができます。ただし、一時に展開可能な古地図枚数については、サイト展開の速度の問題による制限を設けていますので、ご了承ください。
検索窓に名所・地名などのキーワードを入力することによって、関連する名所・地点を検出し、閲覧することも可能となっています。
「江戸・東京WebGIS」は、無料ブラウザアプリの形式で一般に公開しているため、本サイトにおける学術的成果を「散歩の友」としてスマートフォンで持ち歩くことも可能です。本サイトがカバーする範囲内において、GPS機能付きのタブレット型PCやスマートフォンの現在地情報をオンにした状態でこのブラウザアプリを閲覧すると、閲覧者が立っている現実の地点を、資料類によって再構築された近世・近代における江戸・東京の中に位置づけてみることができます。
サイト概要
日本語チームの課題のひとつとして、言語景観から街の類型化をおこなうことを目的にした調査結果をまとめたのが本サイトです。言語景観による街の類型化の試みの第一歩として、千代田区に位置する秋葉原界隈と、中央区に位置する銀座中央通りという、対照的な2つの街を取り上げています。田中ゆかり担当科目において、2010年度・2011年度に実施した実地調査に基づく豊富な写真資料と報告から、現代の東京圏における言語景観を通して街の多様性を体感することができます。
掲載資料
- 1) 秋葉原言語景観調査結果
(2010年度上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻開講科目「フィールドワーク」に基づく調査結果)
スライドショー - 2) 銀座言語景観調査結果
(2011年度日本大学文理学部国文学科開講科目「基礎演習」に基づく調査結果)
調査結果まとめサイトへ
操作方法
地図上に展開されたピンをクリックすると、秋葉原・銀座それぞれの言語景観調査結果を閲覧することができます。
概要
写真をスマートフォンで撮影すると同時にWeb地図上にアップできる、新しい言語景観アーカイブシステムを構築したのが本サイトです。本システムに登録した参加者は、簡単に景観写真と地理的情報を同期させることができるようになります。アーカイブ化も自動化されることで、データ整理の手間が省けます。投稿システムは、直感的にわかりやすいものを目指したため、システムへの登録を許可された使用者は、スマホが使えるならば誰でも簡単にデータの投稿が可能です。演習などの授業内でアプリケーションとしても使用可能なものを目指しました。実地調査と成果公開を連動させた新しい形の教育効果が期待されます。さらに、個人の写真資料などに緯度経度情報を追加することによって、過去に撮影してストックしている景観写真もWeb地図上に集積することが可能になります。
掲載資料
- 1) 銀座言語景観調査結果
(2012年度日本大学文理学部国文学科開講科目「基礎演習」に基づく調査結果)(予定)
操作方法
《注意》本サイトは、登録を許可された利用者のみが利用可能です。
利用者申請が済むと、登録されたメールアドレスに認証メールが届くため、ログイン認証を行って下さい。画像アップロードの権限が与えられます。
画像アップロードの際は、ログインを行い、「写真を投稿する」からアップロードしたい写真を選んで、写真を投稿してください。写真に緯度経度情報が正しく入っている場合、地図画面に写真が投稿されます。
※写真に緯度経度情報を入れる場合は、各自のスマートフォンの「位置情報」をonにしてください。
サイト概要
このWeb言語地図は、異なる研究者による調査データをWeb上で統合・展開させることを目的としています。データを統合することによって、時代・調査主体を超え、一元的にある言語事象について検討することが可能になっていくことを想定しています。さらに、賛同者は自由にデータの追加がおこなえるようなシステムを構築することで、言語資源の新しい有効活用・動的なデータ分析の開拓に繋げる意図があります。詳しくは、Web言語地図右下の「利用規約」もご覧ください。
言語データに加え、当プロジェクトを構成する1グループである地理情報班から提供を受けた鉄道駅データも地図上に反映しました。このため、言語的情報の分布を年代ごとの交通アクセス状況から視覚的に検証することが可能となっています。
掲載資料
- 1) 首都圏西部域調査データ
(調査者:田中ゆかり、調査年:1992年、調査域:首都圏西部域(東京・神奈川・埼玉・静岡)、調査方法:リスト読み上げ式面接調査、調査対象:高年層) - 2) 東京東北部調査データ
(調査者:林直樹、調査年:2010年、調査域:東京東北部、調査方法:リスト読み上げ式面接調査、調査対象:高年層)
操作方法
まず、左上の資料選択ボックスをクリックし、展開させたい言語的特徴を選択してください。チェックボタンをオンにすると、選択した特徴が地図上に配置されます。地図上に展開されたマークをクリックすると、当該地点の話者情報が閲覧できます。
また、このWeb言語地図はデータアーカイブも目的としており、自身が保有するデータをアップロードし、資料を追加することもできます。ただし、参加に際しては申請が必要で、許可された参加者のみがデータの管理を行えるようになります。参加申請の方法などは、Web言語地図右下の「利用規約」からご覧ください。
日本大学文理学部Web言語地図
日本大学文理学部Web言語地図利用規約
日本大学文理学部Web言語地図参加規約
4種類の成果公開サイトは、以下の原則に基づき二次使用を認めるものとします。
- (A)研究・教育・文化的利用を目的とした非営利目的使用の場合:
著作権が存続している資料について、Creative Commons Licensesにのっとり「クレジット表示・非営利・改変禁止」の下での利用を認める。 - (B) (A)項以外の営利目的使用の場合:
日本大学規定等に沿った形での利用申請ならびに料金の支払いを伴うことによって、その利用を認める。
(B)の場合は、サイト運営者までご連絡ください。
本サイトに掲載されている資料は、規約に沿った利用がなされているかを判定するため、アーカイブ資料に対して可視型・不可視型(電子透かし)両タイプの埋め込みをおこなっています。不正な二次利用を発見した場合、こちらからご連絡することもありますので、ご了承ください。
なお、研究成果公開サイトに掲出した資料のうち、小林清親版画は日本大学総合学術情報センター所蔵原本をデジタル撮影した画像の提供を受けています。その他資料についてはすべて文理学部所蔵の資料、または日本語日本文学班構成員から本プロジェクトのために提供を受けたものです。サイト掲出資料の中にはパブリック・ドメインも含まれます。
2013年2月10日施行